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航空宇宙部品加工の最適化に貢献するセラミックエンドミル

航空宇宙産業では、ニッケル基合金製の部品の普及が進んでおり、最適化された切削工具の需要が高まっています。肩削りや正面フライスのような一般的な加工では、ニッケルベース被削材の加工は困難です。これらの材料は、優れた性能を持つ一方で、熱伝導率が低い、切削工具に付着しやすい、合金組織内に砥粒が存在するなどの理由から、加工性が悪いという欠点があります。

そのため、超硬工具は生産性が低くなりがちです。さらに、部品が複雑なため、部品によってはより長いリーチが必要となり、プロセスの柔軟性も多くの航空宇宙メーカーが望む要素となっています。そのような状況の中、これらの要求に応える、航空機用エンジン部品の加工を最適化し、大きな競争力を得る可能性を提供する、新しいセラミックエンドミル技術が出現しました。
航空機用エンジン部品の製造には、さまざまな課題があります。このような部品のほとんどは、耐熱合金(HRSA)/ニッケルベースの合金で製造されており、スプール、タービンディスク、燃焼ケーシング、ブリスクなどの部品を製造する生産技術者には、特別な要求が課されています。

最大30倍の加工速度

多くのメーカーは従来の超硬ソリッドエンドミルを使用していますが、この種の工具はニッケルベース合金を加工する場合、性能的に限界があります。競争率が高いグローバルな分野において、航空機部品の加工工場は、生産性および/または工具寿命といった事項を大幅に改善させる可能性のある次のレベルの技術を求めています。セラミックエンドミルは、肩削りおよび正面フライス加工向けの超硬ソリッド工具と比べて、最大20-30倍の加工速度が可能で、大きな飛躍を実現することができます。セラミックカッターは、概してニッケルベース合金を加工する場合に発生する高温でも硬度を維持するので、このような優れた成果を達成することができます。
荒加工用のロー付けセラミックCoroMill® 316ヘッド交換式エンドミルは、耐熱合金 (ISO S) 被削材における航空機用エンジン加工向けの生産性の高いソリューションです。まず、ヘッド交換式コンセプトには固有の加工柔軟性があります。生産性の高い側面フライス加工を実現するストレートコーナR付きの6枚刃と、高送り正面ブレーカにより正面フライス加工促進するよう設計された4枚刃があります。


ロー付けセラミックCoroMill 316エンドミルは、リーチが長い加工条件またはヘッド交換式システムの柔軟性を利用する場合に最適。

エンドミルのセラミック母材は、従来の超硬ソリッド工具とは異なる切削プロセスに対応できます。S1KUサイアロン材種は、ニッケル合金の加工に特化した材種で、ネガブレーカによりじん性の高い刃先を実現しているのが大きな特長です。後者には、安定した加工のためのTランドという特長もあります。
サイアロンは、アルミナおよび窒化ケイ素 (Al203+Si3N4) の化学成分を有する、高温でも高い耐摩耗性を発揮します。

安定した加工

安定性の高いセットアップはすべてのケースにおいて推奨され、また常にドライ加工とします。クーラントは加工に伴う高温で燃焼する恐れがあるため、加工工場は代わりに圧縮エアを使用する必要があります。さらに、クーラントの使用は熱亀裂を促進し、工具寿命に悪影響があります。重要なことには、少なくとも13000 rpmの高いスピンドル回転数が必要なことです。その他の推奨事項として、ダウンカットの使用、さらに工具が常に被削材と接触するようにプログラムされたツールパスを挙げることができます。

良好な切りくず排出

高い切削速度が切削温度を上昇させ、切りくずを非常に細かく切断します。実際この加工は、圧縮エアを使用した切りくず排出には好都合の、ちり状の切りくずを生成します。


セラミックエンドミルは、耐熱合金 (HRSA) 被削材の加工時に発生する高温でも硬度を維持するので、航空機用ブリスクのブレードの加工に最適です。

ホワイトレイヤーなし

特に注目すべきなのは、サンドビック・コロマントのセラミックエンドミルを使用すると、ホワイトレイヤーの形成が見られないことです。テストは、375~900 m/min (1230~2953 ft/min) の幅広い切削速度に対して行なわれ、この望ましくない効果の兆候はまったくありませんでした。クラックを助長する考えられているホワイトレイヤーは、急速な冷却によりもたらされる加工物の表面に発生した温度に関係しています。
肩削りフライス加工および正面フライス加工の他にも、セラミックエンドミルはポケットフライス加工、ヘリカル補間加工、ランピング加工および溝フライス加工にも使用することができます。CoroMill 316は、サンドビック・コロマントの超硬ソリッド工具おける最適化ソリューションオファーの一部となっています。


CoroMill 316セラミックボールエンドミルは、超硬インターフェース上にロー付けセラミックチップがあり、強度と柔軟性を兼ね備えています。ボールノーズブレーカが容易でよりスピーディな倣い加工を実現します。

シリーズには、ブリスク加工用のCoroMill 316のセラミックボールノーズバージョンも含まれます。この倣いフライス加工ソリューションは、荒加工と仕上げ加工のいずれにも最適です。

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