びびりのない加工のための最適化されたフライス工具

CoroMill® MH20はCoroMill®レパートリの既存の製品を補完し、刃先交換式高送りフライス工具製品ラインのギャップを埋めるためのものです。信頼性とびびりの最小化を実現するために設計されたCoroMill® MH20は、石油ガス産業、金型製造、航空宇宙産業などの周知の加工が難しいワークへの使用が可能になるように調整されています。

この工具は長い突出し量での加工が可能なため、航空宇宙産業のお客様には特にメリットのあるものとなっています。航空機フレームのサブセグメントにあるサポートビームなどの機体を構成するコンポーネントに必要な、深くて狭いポケットの加工では、突出し量を長くすることが重要な要件となります。これらのビームはチタンを鍛造して加工されたものであることが多く、これに長い突出し量という要件が加わると、びびりのリスクが大きな困難な加工条件となります。

CoroMill® MH20は、従来の4枚刃コンセプトではなく2枚刃チップとして設計されています。この設計ではチップの最も弱い部分が主要な切削領域から遠く離れているため、信頼性が増し耐摩耗性も向上するというメリットがあります。コーナ/壁に対する加工が次の刃先または先行コーナに影響を与えることもなく、均等な刃当たり加工性能を確実なものにします。

CoroMill® MH20のその他の革新技術として、チップの刃先部分の形状を挙げることができます。傾斜のある刃先設計が漸進的で軽快な切削アクションを実現し、所要動力が小さくなるので小型の機械の使用が可能になり、最適化された主切れ刃のエッジラインとチップコーナRがさらなる加工安定性を提供し、信頼のおける無人加工を可能にします。

サンドビック・コロマントのアプリケーションマネージャであるサグラム・ダッシュ (Sangram Dash) は、「航空宇宙産業、石油ガス産業、金型製造といった産業分野向けのワークの加工においては、例えば航空宇宙産業では、製造業者は薄い底面と壁面、深いポケットとタイトなコーナといった難しい条件をクリアする必要があります。CoroMill® MH20は、これらの産業セクターの厳しい要件を念頭に設計されたものです。例えばこの工具は、工具数、工具の変更回数、加工中の工具のハンドリングを低減するための複数の異なる操作に対応できるようになっていて、それによりサイクルタイムを低減して、製造経済性を向上させます。さらに高送りコンセプトにおいて初めて、サンドビック・コロマントは異なるISO領域に対して専用のチップブレーカを導入し、加工安定性と生産性の大幅な改善を実現しています。

航空宇宙産業における加工に従事しているエンジニアはミスを犯すことが許されず、特に航空機のエンジンコンポーネントの品質基準は非常に厳しく、寿命にばらつきのない信頼できる工具を供給することは、サンドビック・コロマントにとっての最優先事項です。」と話しています。

CoroMill® MH20の設計においては、工具寿命の延長と信頼性の向上が重要事項でした。事実、他のサンドビック・コロマントの高送りフライス加工工具であるCoroMill® 415との比較において、チタン製の航空機主翼サポート部品の加工では、工具寿命の32%の延長とワーク品質の大幅な改善が確認されました。さらにその他の競合工具とのテストにおいても、鋼材およびステンレス鋼ワークの加工において、卓越した信頼性とより安定した加工性能を確認することができました。
新しいCoroMill® MH20に関する詳細は、サンドビック・コロマントのウェブサイトをご覧ください。